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「死ぬまで一生幸せに暮らしましたとさ」恐怖症

むかしむかし、あるところに「そのあとも、死ぬまで一生幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」というストーリーのラストが怖くて怖くてたまらない少年がいました。

その少年は、

  1. 貧しい暮らしをしている正直者
  2. 問題発生
  3. 解決!
  4. そのあとも死ぬまで一生幸せに暮らしましたとさ

というプロットのストーリーを聞くと、

「4の直後に絶命してしまったのかな?」と真剣に考えてしまっていたのです。

幸せな状態で絶命してしまったが故に、『そのあと』の期間が極端に短く、幸せな状態をキープできたのかな?と。

なぜならば、少年は「一生不幸と感じる瞬間がない」ということこそが「一生幸せに暮らす」ということだと考えていたからです。

席替えで嫌いな奴の隣になってしまっただけで、不幸だと思っちゃうメンタルの持ち主だった少年としては、「一生不幸と感じる瞬間がない」なんて不可能だろうと。そう。ミッションインポッシブルだろうと思っていたのです。



ある日、遊園地に行ったときのことです。

少年はひらめきました。

「そもそも、幸せじゃないと感じる瞬間がなければ幸せだと感じる瞬間は生まれないのではなかろうか」と。

例えば、ジェットコースターは下っているときが楽しい瞬間ですが、下るためには下らない瞬間、すなわち登っている瞬間が必要だと気づいたのです。
下ったり登ったりしないジェットコースターは、ただ平坦な道を走っているに過ぎない。そんなアトラクションは絶叫マシンとしては失格だと考えるようになったのです。

それを機に少年は「そのあとも、死ぬまで一生幸せに暮らしましたとさ恐怖症」を克服し、そのあとも死ぬまで一生幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。